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早川製袋の天辻です。
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今回はOPP袋に印刷を行う際、「版の調子での濃淡表現」についてです。
OPPの印刷袋を製作する際の参考にして頂けたら幸いです。
―「グラビア版の印刷部分は細かな点の集合体です。」―
前回までのグラビア印刷の説明でもよく出てきた説明です。
網点という1つ1つの点の大きさを変化させ、一定面積内での密度を変更させることで、
印刷部分の色の濃淡を表現していきます。これによって1色の中でも濃淡の調整を行う事が可能となり、
色味に諧調を持たせる事が可能となります。
―調子表現を行う上での注意点―
調子表現を上手く使う事で版数を抑えながらも、印刷表現に自由度を持たせることが出来ます。
しかし、注意すべき点もあります。
・調子で印刷濃度を下げるという事は、「淡色」ではなく、透け感(透明度)があがる。
紙印刷や、データ作成時のモニターでは、色の濃度を下げる事で、
白味が増える色合いに変化していきますが、
透明なフイルムに印刷を行うので、
印刷濃度を下げると、転写されるインク量が減少する為、
遮蔽率が下がり、透明感が上がっていきます。白味を増やす「淡色」
の表現を行うには、下に白を引く必要があります。
・最大濃度以上に網点密度を上げる事は出来ない。いわゆる「ベタ表現」という箇所に
当てはまりますが、印刷濃度には限界があります。限界以上にインク濃度を高め、遮蔽性を上げたりすることは出来ません。
・極端に濃度を下げる事も出来ない。網点の濃度を下げる事で淡色表現を行うには限度があります。濃度が下がり過ぎてしまうと、網点の点が目立ってしまう様になり、まばらな点の集まりの様に見えてくる可能性があります。また、網点を小さくし過ぎる事でインクの転写性が悪化し、カスレの原因になる可能性があります。
・特色での調子表現は成り行きとなります。
調色を行った「特色」での調子表現は、仕上がり予測が難しく、デザイン時のイメージと異なる可能性が有ります。
また、印刷出力方式が異なるため、見本印刷も出来ません。
―「製版コストを抑えつつ、諧調のある表現が可能に。」―
以上の注意点を踏まえながら、調子表現を有効に活用する事で、
グラビア版製版にかかる製版代を抑えながらも、
諧調のある印刷表現を行う事が可能となります。
例えば、淡色でのグラデーション表現も調子表現で行う事が出来ます。
今回は、「調子表現を使ったOPP印刷袋」の説明でした。
ご不明な点は、ご遠慮なくお問い合わせください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは次回をお楽しみに♪